トレーリングストップは有利な方向にだけ動き、決して戻りません。エントリー価格、現在の金価格、ストップを置く距離を入力すれば、正確なストップ水準、すでに確定した利益、そしてあと何ドル戻れば自動決済になるかが分かります。
トレーリングストップの要素は二つだけです。アンカーと距離です。アンカーはエントリー後に到達した最良の価格——買いなら高値、売りなら安値です。距離はそのアンカーの後ろにどれだけ余裕を置くか。買いのストップはアンカーから距離を引き、売りは足します。
その max がこの考え方のすべてです。価格が有利な方向へ動けばアンカーが上がり、ストップも上がります。逆行すればアンカーはその場に留まるので、ストップが後退して既に守った利益を返すことはありません。トレーリングストップはラチェットであって、ゴムバンドではありません。
このツールは現在価格を到達済みの最良価格として扱います。保有中のポジションにとって自然な前提です。以前の高値に置いたストップを試算したい場合は、その高値を現在価格に入力してください。
4,120 ドルで金を買い、18 ドル下にストップを置くと初期ストップは 4,102 ドル、初期リスクは 1 オンス 18 ドル——標準 1 ロット(100 オンス)で 1,800 ドルです。価格が 4,168 ドルまで上昇するとアンカーは 4,168 ドル、ストップは 4,150 ドルまで切り上がり、1 オンス 30 ドル、つまり 3,000 ドルが確定します。含み益は 1 オンス 48 ドル、4,800 ドルで、そのうち 1,800 ドル(37.5%)はまだ市場にさらされています。ここでストップに掛かれば 4,150 ドルで決済され、3,000 ドルは残ります。
| 段階 | 価格 | ストップ | 1オンスの確定 | 1ロットの確定 |
|---|---|---|---|---|
| エントリー | $4,120.00 | $4,102.00 | −$18.00 | −$1,800.00 |
| +$20 | $4,140.00 | $4,122.00 | $2.00 | $200.00 |
| +$48 | $4,168.00 | $4,150.00 | $30.00 | $3,000.00 |
| +$80 | $4,200.00 | $4,182.00 | $62.00 | $6,200.00 |
損益分岐点に注目してください。価格がエントリーを 18 ドル上回ったとき、ストップはようやくエントリー価格に戻ります。その瞬間から、ストップが守られる限りこの取引はもう負けません。だからこそトレーダーは置きっぱなしにせず、ストップを引き上げるのです。
距離はこの計算で唯一の実質的な判断であり、欲しい利益からではなく金が実際にどう動くかから決めるべきです。金は静かなセッションでも 15〜30 ドル動き、米国の指標発表前後ではさらに大きくなります。ノイズより狭いトレールは、トレンドが報いてくれる前に普通の値動きで刈られます。
どれを選んでも、ポジションが息をつける幅にし、確定した利益に意味がある幅にしてください。一度のストップで利益が全部消えるなら、ポジションが大きすぎます。ストップの問題ではなくサイズの問題で、ポジションサイズ計算ツールが扱う領域です。
最も多い失敗は引き上げが早すぎることです。5 ドルの利益でストップを損益分岐点に動かすと、トレンド取引はコイン投げになります。金は 80 ドルへ向かう道中で 5 ドルを何度も戻すからです。ストップ幅と同じだけ利益が出るまで待ち、最初の調整を行い、その後は段階的に切り上げます。
二つ目は誤った時間軸でトレールすることです。5 分足で決めた距離は、4 時間足には映らないノイズで刈られます。距離はシグナルを出した時間軸で決め、あとは走らせます。
三つ目は水準どおりに約定すると信じることです。トレーリングストップは発動後は成行注文になるため、飛び越える窓——週末ギャップやヘッドラインによる急変——では水準を大きく外して約定します。金では週末に 10〜30 ドルの窓が普通に空くので、このスリッページは計画に織り込むべきです。ポジションサイズを決める前にレバレッジと強制決済を理解すべき理由も同じです。
最後に、水準の価値はそれを執行する場所次第です。注文が買値・売値・仲値のどれで発動するかを知ることは、計算の小数点以下一桁より価値があります。約定の仕組みは金のアカデミーで扱っています。
ありません。それが定義そのものです。買いならストップは上がるだけで、売りなら下がるだけです。価格が反転してもアンカーは到達した最良水準に留まり、ストップもそこに留まるため、守られた利益が緩い設定で返されることはありません。
通常のノイズに耐える幅です。実務的な出発点は取引時間軸の ATR の 1.5〜2.5 倍、または金価格の 0.4%〜0.8% 程度です。セッションの標準的な値幅より狭い設定は、トレンドの変化ではなく普通の変動で発動しがちです。
いいえ。発動後は成行注文になるため、窓や急な変動ではストップを越えた価格で約定します。金は週末に窓が空き、指標にも激しく反応します。計算した水準は約束ではなく目標として扱い、実際に受け取りうるスリッページを前提にサイズを決めてください。